図鑑No.7
- 2014/10/17
- 19:40
【図鑑No.7】
名前:加練さん
性別:男
身長:188cm
タイプ:調理
特徴:異なる世界線の未来
説明:
妖怪ケンタ喰らい。
この名を聞いたことがある者が少なからずいると思う。
先日、ぷにの誕生日に関するブログで紹介された妖怪である。
2014/10/16。
ぷにの誕生日だ。
この日、彼は30歳を超え、ひとりでチキンを食す。
賢者のように、チキンのみを考え喰らいつく。
某ファストフードチェーンにおける代表商品。フライドチキン。
衣とチキンの味付け、油、バランス。中毒性の高い逸品。
30歳を超えた誕生日にたった一人でバーレルを食す。
この行為が、妖怪ケンタ喰らいに出逢うフラグだ。
妖怪ケンタ喰らいに遭遇したら最後、
食っても
食っても
食っても
食っても
治まらないチキンへの衝動。
そして、幸せそうにチキンを食べる、家族やカップルを見つけては、
何度も
何度も
何度も
何度も
特大のチキンで叩く。
そして、チキンごと、その幸せを、喰らう。
この話は、「学校の怖い噂。シリーズ③加練さんが来た」でも紹介され、とても有名な怪談である。
----------
ある世界線において、ぷには完全に妖怪ケンタ喰らいへと変貌していた。
私は、この世界線から抜け出すために未来から現代へリープし、彼と同じ会社に勤めた。
そして、今宵は運命の夜。
私は会社の同僚として彼に近づき、彼の家を知る。
目的はひとつ、<たった一人で誕生日を過ごさせないこと>である。
これにより、この世界で妖怪の出現事案をひとつ減らすことができる。
ぷにを妖怪にはさせない。
本部からの任務を遂行するためではなく、現代で出会った彼と過ごした時間から生ずる仲間意識か、
この日の私は使命感をいつも以上に背負っていた。
2014/10/16、22時。
彼の家の前にたつ。
わずかな明かり。音はない。
間違いなく一人だ。
玄関の前で詠唱する。
「加練さんよ、お静まりください」
玄関のドアを開く。
彼は、見当たらない。
・・・むしゃ
・・・むしゃ
しまった。手遅れだったか。
いや、まだ間に合う。彼はチキンを食べて間もない。
今なら、まだ孤独の誕生日ではなく、楽しい誕生日に変えられる。
彼を妖怪にすることもない。
「Happy Birthday」
と、私は告げる。
彼の表情から、チキンへの執着は消えていた。
私の任務はもう終わり。
本来はタイムマシンで本部に帰るのだが、リープ時のマシントラブルにより未来へは帰れなくなった。
私はこの世界で生きていくことを決めた。
妖怪ではない人間のぷにと一緒にまたつまらない仕事に向かっていくのだ。
名前:加練さん
性別:男
身長:188cm
タイプ:調理
特徴:異なる世界線の未来
説明:
妖怪ケンタ喰らい。
この名を聞いたことがある者が少なからずいると思う。
先日、ぷにの誕生日に関するブログで紹介された妖怪である。
2014/10/16。
ぷにの誕生日だ。
この日、彼は30歳を超え、ひとりでチキンを食す。
賢者のように、チキンのみを考え喰らいつく。
某ファストフードチェーンにおける代表商品。フライドチキン。
衣とチキンの味付け、油、バランス。中毒性の高い逸品。
30歳を超えた誕生日にたった一人でバーレルを食す。
この行為が、妖怪ケンタ喰らいに出逢うフラグだ。
妖怪ケンタ喰らいに遭遇したら最後、
食っても
食っても
食っても
食っても
治まらないチキンへの衝動。
そして、幸せそうにチキンを食べる、家族やカップルを見つけては、
何度も
何度も
何度も
何度も
特大のチキンで叩く。
そして、チキンごと、その幸せを、喰らう。
この話は、「学校の怖い噂。シリーズ③加練さんが来た」でも紹介され、とても有名な怪談である。
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ある世界線において、ぷには完全に妖怪ケンタ喰らいへと変貌していた。
私は、この世界線から抜け出すために未来から現代へリープし、彼と同じ会社に勤めた。
そして、今宵は運命の夜。
私は会社の同僚として彼に近づき、彼の家を知る。
目的はひとつ、<たった一人で誕生日を過ごさせないこと>である。
これにより、この世界で妖怪の出現事案をひとつ減らすことができる。
ぷにを妖怪にはさせない。
本部からの任務を遂行するためではなく、現代で出会った彼と過ごした時間から生ずる仲間意識か、
この日の私は使命感をいつも以上に背負っていた。
2014/10/16、22時。
彼の家の前にたつ。
わずかな明かり。音はない。
間違いなく一人だ。
玄関の前で詠唱する。
「加練さんよ、お静まりください」
玄関のドアを開く。
彼は、見当たらない。
・・・むしゃ
・・・むしゃ
しまった。手遅れだったか。
いや、まだ間に合う。彼はチキンを食べて間もない。
今なら、まだ孤独の誕生日ではなく、楽しい誕生日に変えられる。
彼を妖怪にすることもない。
「Happy Birthday」
と、私は告げる。
彼の表情から、チキンへの執着は消えていた。
私の任務はもう終わり。
本来はタイムマシンで本部に帰るのだが、リープ時のマシントラブルにより未来へは帰れなくなった。
私はこの世界で生きていくことを決めた。
妖怪ではない人間のぷにと一緒にまたつまらない仕事に向かっていくのだ。