日本っていいなぁ~
- 2015/04/16
- 01:10
どうも。ぷにちんです。
いきなりですが、この度のブログタイトルを見て、ピンと来た人はきっと良い人です。
テレビ東京で放送している、 和風総本家 という番組をご存知ですか?
毎回日本の伝統を守り続けている、職人さんの日々に密着し、興味深い内容を放送してくれる番組です。
最近テレビなんてめっきり見なくなったぷにちんですが、
この番組と YOUは何しに日本へ は大好きで毎回見ております。
そしてそんな昔ながらの日本の文化に触れたいなぁ~と思いつつも
中々そういった機会に恵まれず、日々を過ごしておりました。
ボンヤリと何かないか考えていたら、現在の住居に引っ越したばかりの頃
ご近所を散策しておりましたら、こじんまりとした銭湯があったことを思い出しました。
最近は岩盤浴などもある、綺麗な ”スパ” みたいな所は行ったことがありますが
そういえば昔ながらの銭湯なんて、最後に行ったのは小学生の頃かもしれません。
思い立ったら早速行動です。
先日の休みの日に早速銭湯に行ってまいりました。
こちらは北31条西3丁目にある ”奥の湯” さん。
サウナもあるという事なので、ゆっくりするために夜の7時過ぎに行きました。
決して外観は綺麗とは言えませんし、古めかしい建物です。
ただそこには地元の人の生活を長年支え続けてきた貫禄と、昔ながらの良さを感じさせてくれます。
入口の扉をガラガラっと開けますと左側が男性浴場、右側が女性浴場とすぐに分かれております。
大人しく左側に進みまして再度扉を開けますと、早速いました。
番頭のおばちゃんがにこやかに迎えてくれます。
ぷにちんの顔を見るなり、
「あんたは初めての人だね。危ないから浴槽の縁には座らないでね。」 と話しかけてきます。
このお客さんの顔を覚えている、接客のプロさが良いです。
ちなみに代金は大人が440円でした。
小さい頃は200円位で入れた記憶があったのですが、大人はそこそこするんですね。
周りの人にご迷惑をお掛けしないように静々と着替えます。
まだ夜の7時くらいでしたが、浴場には8人程度のお客さんがいました。
しっかりとタオルを持って浴場に向かいます。
しかし見かけるお客さん全てが銭湯のプロって感じの風格を醸し出しているオジサンばかりで緊張します。
浴場の間取り図
入ってすぐ左側の黄色いエリアに銭湯でお馴染みのケロヨンの桶と椅子が置いてありまして
利用したら元あった場所に戻すようになっておりました。
ちなみに壁際には全て洗い場として使えるように、蛇口とシャワーがついています。
女湯は右側にあるはずです。
浴場の利用ルールと言うのは、時に法律よりも力があります。
銭湯のプロ達を刺激しないように、まずは体を洗わなければなりません。
早速ケロヨンの一番近くの洗い場へ行き、隅っこに陣取ります。
桶を用意して体と頭を洗おうとしましたら、大変なことに気づきました。
石鹸やシャンプーが無いのです。
これは予想外。
とりあえずその日はお昼に一度、家でシャワーを浴びておりましたので
お湯だけで体と髪を丹念に洗い流します。
浴槽はねずみ色の所に通常のお風呂と、えんじ色の所に赤ワインの様な色をしたお湯が張っております。
あとは水色の場所が水風呂で奥のオレンジ色の場所がサウナでした。
とりあえず、物珍しさもあってえんじ色のお風呂に入ります。
漢方か薬草が分かりませんが、とても安らぐ香りがします。
お風呂を出るときに番頭のおばちゃんに聞いたら ”じっこう”と言うものが入っているとの事。
体の芯から暖かくなるというのはこういうことなんだなぁ~、と実感しながら湯に浸かる。
壁際に2か所ジェットバスの様な水流が出る箇所があったので、そこで腰や肩にジェットを当てるぷにちん。
今まで堕落した生活を送ってきたぷにちんは腰痛や肩こりなんて物とは無縁です。
ですが回りの銭湯プロに、疲れをとりにきたアピールをしておいた方がよいでしょう。
5分程度のんびりしながら回りをチラチラ観察します。
皆当たり前の様に銭湯セット(髭剃り、石鹸、シャンプー)を持参しております。
そして大体は40~50代と思しきオジサン達。
全然疲れとは無縁そうで銭湯なんか利用しなくてもよい不審者が一人で銭湯。
しかも銭湯セットを持参していない、にわか・・・。
明らかにぷにちんはこの銭湯でも浮いていました。
会社でも気持ち悪がられ浮いて、銭湯に行っても浮く・・・。
これは悪い意味でコウモリみたいな存在ですね。
どこに行ってもアウェイな気分を味わえるのは貴重な体験かもしれません。
にしてもやっぱり広いお風呂は良いですわ。
長く入っていてもお湯の温度は下がりませんし、開放感が違います。
周りの人に聞こえないようにとっても小さな声で鼻歌なんか歌っちゃいますよ。
ある程度体を温めましたらぷにちんがお風呂で大好きなサウナへ向かいます。
サウナってただ座っているだけなのに、体から汗出るし痩せる気がしますよね。
本当に痩せれたら最高なんですが、気分だけでも汗をかくのは良いことです。
サウナに入りますと先客のオジサンが2人程いました。
にしてもサウナに入って驚いたのがその狭さでした。
これ大人が3人も入ったら、結構な至近距離。
もうその場で将棋とか初めても不思議でない距離ですよ。
将棋で言うと、飛車と角行みたいな強そうなオジサンに一瞥されて、入口近くにそそくさと座るぷにちん。
歩より弱い立場のぷにちんですがサウナと言うのは、沈黙のバトルフィールドでもあります。
ぷにちんはサウナで自分ルールの遊びをします。
それは、自分より先に入っていた人よりも先に出ない事です。
これにはいくつか理由があります。
その①
サウナは扉が開いた時に冷たい外気が入る。
これは言うまでもなくサウナに入っている人の気分を害する行為です。
時々興味本位でサウナに入って来たものの、その暑さに耐えきれずすぐに出ていく人がいます。
あれはぷにちん的にはオジサン達の怒りゲージを2上昇させるのでオススメしません。
その②
とりあえず負けた気分になる。
実はこの自分ルールはこの、その②が重要です。
まずオジサンはぷにちんより何分先に入ったか分かりませんが
このサウナという熱風空間にぷにちんより長く晒されていたことになります。
そのオジサンより後に入ったぷにちんが先に出るという事は
根性でぷにちんはオジサンに負けた事になるのです。
考えてみてください。
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もしアナタが就活生だとして、銭湯に行きます。
中々就職が決まらず、疲れをとるために近所の銭湯に行きました。
広い風呂は最高だぜ~って気分でお風呂に浸かり、何となくサウナに足を運びます。
サウナには年の頃は40に届かない位の男性が一人。
サウナの中、大量の汗をかいて熱風に耐えております。
すごい忍耐力だなぁ~と思いつつ、アナタはものの2,3分でサウナを後にします。
後日、就活のために強く入社を希望する会社へ面接に行きます。
今日は最終面接・・・。ココからは会社のお偉いさん直々の面接で合否の判定がなされる最終ジャッジの日です。
面接会場に通されるアナタ。
相手は重役と思われる風格を備えた人が3人座っている。
この日のために完璧に仕上げた履歴書。
学生生活で築き上げた実績に面接官も好印象の様子だ。
そろそろ面接も終わり、という雰囲気が流れた時に面接官の中でも一際凛々しい男性が質問を投げかけます。
「君は履歴書の長所の欄に ”粘り強く色々な事に取り組む”と書いているが具体的にはどんな事ですか?」
アナタは学生時代に取り組んだ、奨学金制度の改善への取り組みとその実績を熱弁します。
その話を聞いて重役2人もアナタにとても好意的な視線を送っている。
話終えると凛々しい面接官がポツリと言い放った。
「君は1週間前の午後8時何をしていたか覚えているかい?」
予想もしなかった質問に困惑するアナタ。
その日は特段何かをしたわけでは無いし、勿論悪いことをした記憶なんてない。
質問の意図も分からず、素直に 覚えてません、と返すアナタ。
その瞬間、強い口調に変わる面接官。
「私は覚えている。君は ”奥の湯” のサウナに入って来て、すぐに出て行ったんだ。
あの程度の熱気にも耐えられない男の言う、粘り強さとはそれは大した物なんだろうね。」
アナタはその瞬間に全てを思い出す。
あの時サウナで大量の汗をかいて耐えていたのはこの面接官だ!と。
突如色めき出す面接会場。
先ほどまで好印象だった2人も口ぐちに
「サウナに入ってすぐに出るとは許せない!」
「君の様な言う事とやる事が一致しない人間は信用ならん!」
と先ほどまでとは打って変わって、アナタを攻撃します。
勿論、就職の話などご破算です。
この話は同業他社にも周知され、アナタは望まない仕事をし、一生を棒に振るのです・・・。
----------------------------------------------------
サウナをすぐ出るというのはこういったリスクを孕んでいるのです。
これがもし、この面接官より長くサウナに入っていればサウナにいる時点で
「ウチの会社に来ないか?待遇は月給50万だ。」となっていたはずです。
そんな日が来ることを信じて、ぷにちんはこの自分ルールを課しているのですが
まだ面接官とサウナに一緒になったことが無いのが悔やまれます。
また訳の分からない作り話で脱線してしまいましたが、
サウナと水風呂をループする作業をおよそ1時間程繰り返した後に、最後にゆっくりとお湯に浸かり浴場を上がりました。
浴場を上がった後も先ほどお湯に浸かりながら、回りを観察していた経験が役に立ちました。
脱衣所の入口近くにモップが用意されており、皆自分が上がったあとにセルフサービスで床を拭いていたのです。
ぷにちんも浴場で既にタオルで丹念に体を拭いてから上がっておりますがしっかりとモップで床を拭きます。
これには番頭のおばちゃんも やるね! って顔で見てきます。
・・・実際にはおばちゃんはテレビを見ていて、
コッチを一瞥すらしていなかったのですが心の中ではそう思っていたに違いありません。
お風呂を上がった後の楽しみと言えば、瓶に入った牛乳シリーズの何を飲むか?ですよね。
最近のお風呂なんかだと、自動販売機で売っているのしか見たことがありませんが、
奥の湯さんはガラガラっとガラス戸を開けて自分で飲み物を出して番頭さんに代金を払うシステムでした。
コーヒー牛乳に決めたぷにちんは瓶を持って代金を支払い銭湯を後にしました。
まだこの時期の北海道の夜はたいへん寒さが厳しいのですが、
お風呂の ”じっこう” のおかげか体がポカポカしており、
Tシャツのまま銭湯の前に用意されたベンチで一服してからテクテク歩いて帰りました。
今回お世話になった奥の湯さん・・・分かりませんが、決して儲けているとは言い難いと思います。
最近では大型で綺麗で最新のシステムを備えた浴場が沢山溢れています。
そして消費者はそちらへ足を延ばすことが多いでしょう。
しかし私たちの日々の生活を長く支えてくれた、こういった昔ながらの店舗を無くしてはならないと思うのです。
皆さんの周りにも小さな商店やタバコ屋さん、八百屋さんなんかがあると思います。
そしてそういったお店の人達にも人生があり日々の生活があるのです。
その人達の生活を支える事が出来るのは国の政策でも税金の話でも無くて
私たちが日々通う事でしか実現できない事なのです。
ぜひ皆さんも機会がありましたら、近所の銭湯に足を運んでみてください。
お風呂のお湯以上に暖かい温もりの空間がアナタを待っているはずです。
今度は銭湯セットを持って足を運ぼうと思ったぷにちんでした。
いきなりですが、この度のブログタイトルを見て、ピンと来た人はきっと良い人です。
テレビ東京で放送している、 和風総本家 という番組をご存知ですか?
毎回日本の伝統を守り続けている、職人さんの日々に密着し、興味深い内容を放送してくれる番組です。
最近テレビなんてめっきり見なくなったぷにちんですが、
この番組と YOUは何しに日本へ は大好きで毎回見ております。
そしてそんな昔ながらの日本の文化に触れたいなぁ~と思いつつも
中々そういった機会に恵まれず、日々を過ごしておりました。
ボンヤリと何かないか考えていたら、現在の住居に引っ越したばかりの頃
ご近所を散策しておりましたら、こじんまりとした銭湯があったことを思い出しました。
最近は岩盤浴などもある、綺麗な ”スパ” みたいな所は行ったことがありますが
そういえば昔ながらの銭湯なんて、最後に行ったのは小学生の頃かもしれません。
思い立ったら早速行動です。
先日の休みの日に早速銭湯に行ってまいりました。
こちらは北31条西3丁目にある ”奥の湯” さん。
サウナもあるという事なので、ゆっくりするために夜の7時過ぎに行きました。
決して外観は綺麗とは言えませんし、古めかしい建物です。
ただそこには地元の人の生活を長年支え続けてきた貫禄と、昔ながらの良さを感じさせてくれます。
入口の扉をガラガラっと開けますと左側が男性浴場、右側が女性浴場とすぐに分かれております。
大人しく左側に進みまして再度扉を開けますと、早速いました。
番頭のおばちゃんがにこやかに迎えてくれます。
ぷにちんの顔を見るなり、
「あんたは初めての人だね。危ないから浴槽の縁には座らないでね。」 と話しかけてきます。
このお客さんの顔を覚えている、接客のプロさが良いです。
ちなみに代金は大人が440円でした。
小さい頃は200円位で入れた記憶があったのですが、大人はそこそこするんですね。
周りの人にご迷惑をお掛けしないように静々と着替えます。
まだ夜の7時くらいでしたが、浴場には8人程度のお客さんがいました。
しっかりとタオルを持って浴場に向かいます。
しかし見かけるお客さん全てが銭湯のプロって感じの風格を醸し出しているオジサンばかりで緊張します。
浴場の間取り図
入ってすぐ左側の黄色いエリアに銭湯でお馴染みのケロヨンの桶と椅子が置いてありまして
利用したら元あった場所に戻すようになっておりました。
ちなみに壁際には全て洗い場として使えるように、蛇口とシャワーがついています。
女湯は右側にあるはずです。
浴場の利用ルールと言うのは、時に法律よりも力があります。
銭湯のプロ達を刺激しないように、まずは体を洗わなければなりません。
早速ケロヨンの一番近くの洗い場へ行き、隅っこに陣取ります。
桶を用意して体と頭を洗おうとしましたら、大変なことに気づきました。
石鹸やシャンプーが無いのです。
これは予想外。
とりあえずその日はお昼に一度、家でシャワーを浴びておりましたので
お湯だけで体と髪を丹念に洗い流します。
浴槽はねずみ色の所に通常のお風呂と、えんじ色の所に赤ワインの様な色をしたお湯が張っております。
あとは水色の場所が水風呂で奥のオレンジ色の場所がサウナでした。
とりあえず、物珍しさもあってえんじ色のお風呂に入ります。
漢方か薬草が分かりませんが、とても安らぐ香りがします。
お風呂を出るときに番頭のおばちゃんに聞いたら ”じっこう”と言うものが入っているとの事。
体の芯から暖かくなるというのはこういうことなんだなぁ~、と実感しながら湯に浸かる。
壁際に2か所ジェットバスの様な水流が出る箇所があったので、そこで腰や肩にジェットを当てるぷにちん。
今まで堕落した生活を送ってきたぷにちんは腰痛や肩こりなんて物とは無縁です。
ですが回りの銭湯プロに、疲れをとりにきたアピールをしておいた方がよいでしょう。
5分程度のんびりしながら回りをチラチラ観察します。
皆当たり前の様に銭湯セット(髭剃り、石鹸、シャンプー)を持参しております。
そして大体は40~50代と思しきオジサン達。
全然疲れとは無縁そうで銭湯なんか利用しなくてもよい不審者が一人で銭湯。
しかも銭湯セットを持参していない、にわか・・・。
明らかにぷにちんはこの銭湯でも浮いていました。
会社でも気持ち悪がられ浮いて、銭湯に行っても浮く・・・。
これは悪い意味でコウモリみたいな存在ですね。
どこに行ってもアウェイな気分を味わえるのは貴重な体験かもしれません。
にしてもやっぱり広いお風呂は良いですわ。
長く入っていてもお湯の温度は下がりませんし、開放感が違います。
周りの人に聞こえないようにとっても小さな声で鼻歌なんか歌っちゃいますよ。
ある程度体を温めましたらぷにちんがお風呂で大好きなサウナへ向かいます。
サウナってただ座っているだけなのに、体から汗出るし痩せる気がしますよね。
本当に痩せれたら最高なんですが、気分だけでも汗をかくのは良いことです。
サウナに入りますと先客のオジサンが2人程いました。
にしてもサウナに入って驚いたのがその狭さでした。
これ大人が3人も入ったら、結構な至近距離。
もうその場で将棋とか初めても不思議でない距離ですよ。
将棋で言うと、飛車と角行みたいな強そうなオジサンに一瞥されて、入口近くにそそくさと座るぷにちん。
歩より弱い立場のぷにちんですがサウナと言うのは、沈黙のバトルフィールドでもあります。
ぷにちんはサウナで自分ルールの遊びをします。
それは、自分より先に入っていた人よりも先に出ない事です。
これにはいくつか理由があります。
その①
サウナは扉が開いた時に冷たい外気が入る。
これは言うまでもなくサウナに入っている人の気分を害する行為です。
時々興味本位でサウナに入って来たものの、その暑さに耐えきれずすぐに出ていく人がいます。
あれはぷにちん的にはオジサン達の怒りゲージを2上昇させるのでオススメしません。
その②
とりあえず負けた気分になる。
実はこの自分ルールはこの、その②が重要です。
まずオジサンはぷにちんより何分先に入ったか分かりませんが
このサウナという熱風空間にぷにちんより長く晒されていたことになります。
そのオジサンより後に入ったぷにちんが先に出るという事は
根性でぷにちんはオジサンに負けた事になるのです。
考えてみてください。
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もしアナタが就活生だとして、銭湯に行きます。
中々就職が決まらず、疲れをとるために近所の銭湯に行きました。
広い風呂は最高だぜ~って気分でお風呂に浸かり、何となくサウナに足を運びます。
サウナには年の頃は40に届かない位の男性が一人。
サウナの中、大量の汗をかいて熱風に耐えております。
すごい忍耐力だなぁ~と思いつつ、アナタはものの2,3分でサウナを後にします。
後日、就活のために強く入社を希望する会社へ面接に行きます。
今日は最終面接・・・。ココからは会社のお偉いさん直々の面接で合否の判定がなされる最終ジャッジの日です。
面接会場に通されるアナタ。
相手は重役と思われる風格を備えた人が3人座っている。
この日のために完璧に仕上げた履歴書。
学生生活で築き上げた実績に面接官も好印象の様子だ。
そろそろ面接も終わり、という雰囲気が流れた時に面接官の中でも一際凛々しい男性が質問を投げかけます。
「君は履歴書の長所の欄に ”粘り強く色々な事に取り組む”と書いているが具体的にはどんな事ですか?」
アナタは学生時代に取り組んだ、奨学金制度の改善への取り組みとその実績を熱弁します。
その話を聞いて重役2人もアナタにとても好意的な視線を送っている。
話終えると凛々しい面接官がポツリと言い放った。
「君は1週間前の午後8時何をしていたか覚えているかい?」
予想もしなかった質問に困惑するアナタ。
その日は特段何かをしたわけでは無いし、勿論悪いことをした記憶なんてない。
質問の意図も分からず、素直に 覚えてません、と返すアナタ。
その瞬間、強い口調に変わる面接官。
「私は覚えている。君は ”奥の湯” のサウナに入って来て、すぐに出て行ったんだ。
あの程度の熱気にも耐えられない男の言う、粘り強さとはそれは大した物なんだろうね。」
アナタはその瞬間に全てを思い出す。
あの時サウナで大量の汗をかいて耐えていたのはこの面接官だ!と。
突如色めき出す面接会場。
先ほどまで好印象だった2人も口ぐちに
「サウナに入ってすぐに出るとは許せない!」
「君の様な言う事とやる事が一致しない人間は信用ならん!」
と先ほどまでとは打って変わって、アナタを攻撃します。
勿論、就職の話などご破算です。
この話は同業他社にも周知され、アナタは望まない仕事をし、一生を棒に振るのです・・・。
----------------------------------------------------
サウナをすぐ出るというのはこういったリスクを孕んでいるのです。
これがもし、この面接官より長くサウナに入っていればサウナにいる時点で
「ウチの会社に来ないか?待遇は月給50万だ。」となっていたはずです。
そんな日が来ることを信じて、ぷにちんはこの自分ルールを課しているのですが
まだ面接官とサウナに一緒になったことが無いのが悔やまれます。
また訳の分からない作り話で脱線してしまいましたが、
サウナと水風呂をループする作業をおよそ1時間程繰り返した後に、最後にゆっくりとお湯に浸かり浴場を上がりました。
浴場を上がった後も先ほどお湯に浸かりながら、回りを観察していた経験が役に立ちました。
脱衣所の入口近くにモップが用意されており、皆自分が上がったあとにセルフサービスで床を拭いていたのです。
ぷにちんも浴場で既にタオルで丹念に体を拭いてから上がっておりますがしっかりとモップで床を拭きます。
これには番頭のおばちゃんも やるね! って顔で見てきます。
・・・実際にはおばちゃんはテレビを見ていて、
コッチを一瞥すらしていなかったのですが心の中ではそう思っていたに違いありません。
お風呂を上がった後の楽しみと言えば、瓶に入った牛乳シリーズの何を飲むか?ですよね。
最近のお風呂なんかだと、自動販売機で売っているのしか見たことがありませんが、
奥の湯さんはガラガラっとガラス戸を開けて自分で飲み物を出して番頭さんに代金を払うシステムでした。
コーヒー牛乳に決めたぷにちんは瓶を持って代金を支払い銭湯を後にしました。
まだこの時期の北海道の夜はたいへん寒さが厳しいのですが、
お風呂の ”じっこう” のおかげか体がポカポカしており、
Tシャツのまま銭湯の前に用意されたベンチで一服してからテクテク歩いて帰りました。
今回お世話になった奥の湯さん・・・分かりませんが、決して儲けているとは言い難いと思います。
最近では大型で綺麗で最新のシステムを備えた浴場が沢山溢れています。
そして消費者はそちらへ足を延ばすことが多いでしょう。
しかし私たちの日々の生活を長く支えてくれた、こういった昔ながらの店舗を無くしてはならないと思うのです。
皆さんの周りにも小さな商店やタバコ屋さん、八百屋さんなんかがあると思います。
そしてそういったお店の人達にも人生があり日々の生活があるのです。
その人達の生活を支える事が出来るのは国の政策でも税金の話でも無くて
私たちが日々通う事でしか実現できない事なのです。
ぜひ皆さんも機会がありましたら、近所の銭湯に足を運んでみてください。
お風呂のお湯以上に暖かい温もりの空間がアナタを待っているはずです。
今度は銭湯セットを持って足を運ぼうと思ったぷにちんでした。