誕生日
- 2014/10/16
- 20:03
どうも。ぷにちんです。
先日のかまぼこに続いてですが、ぷにちんも本日誕生日を迎えました。
10月は何か良くないものが産まれる月なのか?と疑いたくなりますね。
とりあえず先日のかまぼこ誕生日会にお呼ばれされなかった怨みは
後日あじにぶつけるとして、めでたく31歳になりました~ (*´ω`*)
何が (*´ω`*) だよ…何もめでたくないですわ。
もうこの年になったらお母さんからのプレゼントは貰えないし、
ケーキが食べたかったら自分で買わなきゃダメですからね。
しかも頭皮は薄くなるし…
祝ってくれる人がいる皆さんにとっては、それはそれは楽しみなイベントでしょうが
ぷにちんは一人でヤケ食いケンタッキー確定ですからね。
そりゃ寂しい絵面ですよ。
おっさんが一人、ムシャムシャ肉にかじりつく。
ほら、文にししただけでも狂気が感じられます。
きっとあと3年もしたら妖怪になれると思うんですよ。
妖怪ケンタ喰らい
とあるところに、付き合って1年目のカップルがいました。
サッカー部で日々練習に励んでいる好青年のタクヤ。クラスのムードメーカーだ。
そんなタクヤとは対称的に穏やかな性格で料理が趣味の女の子・・・アイ。
クラスの皆には内緒だが、二人は付き合っていた。
高校生にとって他人の色恋沙汰は格好の話題の的だ。
二人が周りの人に内緒にしていたのは自然の流れなのかもしれない。
2人はまだ学生で実家暮らし。
もちろん学生なのでおこづかい制。
あまりお金もありません。
デートと言っても下校中にクレープを食べて学校での出来事を話すだけ。
手を繋いだのは、遠くの街にいった時の数える程だけだった。
子供の恋。
そう言ってしまえばそれまでだが、2人はとても幸せだった・・・。
何もかもが色付く季節・・・秋。
二人にとって初めてのイベントがやってきた。
タクヤの誕生日である。
肌に触れる風は冷たくなってきたが変わらぬ二人の距離。
いつものクレープ屋さんでいつもと変わらぬチョコバナナクレープを食べながら並んで歩く・・・。
ただ違うのはアイの気持ちがここにあらず、といった感じだった。
普段ならタクヤの話す悪友の面白エピソードにコロコロと表情を変えて反応してくれるのに…
「なぁ…具合悪いのか?」
心配そうにタクヤがアイの顔を覗き込みながら声をかける。
急に現実に引き戻されたかのように、驚いた表情のアイ。
「ううん。何でもないの!!」
全く会話にならない返事。
その後も俯きがちに歩くアイと、変わらぬ雰囲気で話し続けるタクヤ。
いつもの別れ道に差し掛かり、普段と同じくタクヤがまた明日な。とアイに振り返り、別れの挨拶をする。
アイ「ねぇ!タクヤ。」
意を決したように急に大きな声を出すアイ。
タクヤ「ん?どした。」
アイの感情の機微など気づかず呑気な返事を返す。
顔を赤らめたまま黙ってしまうアイ。
タクヤ「何か今日のお前変だぞ。」
何度も何かを言おうとしては俯いてしまうアイ。
一際寒い風が吹いたのが合図でもあったかのようにアイが口を開く。
アイ「今日、両親が旅行に行っていないの・・・タクヤの誕生日を一緒にお祝いしたい。」
耳まで真っ赤にして、伝えるアイ。
最後の言葉はなびく風よりも小さい言葉になっていた。
明日は偶然にも土曜日。
今まで二人とも外泊などしたことはない。
タクヤ「それって・・・二人っきりってことだよな。」
流石に呑気なタクヤもアイの言っていることの真意に気づいていた。
コクリと頷くアイ。
耳まで真っ赤になっている。
タクヤ「分かった・・・母さんにはシンジの所に泊まるって言っとくよ。」
アイ「うん。じゃあウチで待ってるね。」
いつもと同じ道で別れた二人だったが、目に映る景色全てが色鮮やかに見えた。
これまでの思い出、そしてこれから起こるでであろう大人への入口。
全てが未知であったが二人に恐怖はなかった。
閑静な住宅街の中にアイの家はあった。
綺麗に刈りそろえられた芝生。
庭の一角にはお母さんの趣味だろうか、丹精込めて育てられた小さなバラが咲いている。
今まで柵越しにしか見たことのないその景色の中にタクヤは佇んでいた。
ピンポーン
澄み渡るベルの音に少し遅れて、家の中からパタパタとスリッパで駆けてくる音が聞こえる。
重厚なドアが開き、その先にはエプロン姿のアイが待っていた。
アイ「いらっしゃい。バタバタしててごめんね・・・丁度お祝いの準備をしていたの。」
家の中からは香ばしく肉の焼ける匂いがしていた。
リビングに通されたタクヤは豪奢な調度品と綺麗に片づけられた室内をキョロキョロと見まわしていた。
アイ「もうすぐ用意が出来るからテレビでも見ていて。」
フカフカのソファに座ったタクヤはキッチンで料理をするアイに視線を送ったり、
テレビを見たりして、想像もしてなかった夢うつつの中で微睡んでいた。
アイ「お待たせ、大したものは無いけどお祝いの準備ができたから食べましょう。」
少し眠っていたようだ、瞼をこすりつつ食卓テーブルを見たタクヤは驚いた。
サンドウィッチ、タコさんソーセージ、フライドポテトにゆで卵の入ったサラダ。
更にはアイが先ほどオーブンで焼いたであろうチキンレッグまであった。
アイ「昨日の夜から準備してたんだ・・・。」
照れたように笑い、恥ずかしそうに頭をかくアイ。
タクヤの一番好きなアイの顔だった。
アイ「さぁ。冷めないうちにどうぞ。」
アイの作った料理はどれも、とても美味しかった。
あっという間にほとんどを食べてお腹いっぱい、という表情のタクヤ。
アイ「ちょっと待っててね。」
食卓テーブルを立ったアイは再度キッチンへ向かい、何かを用意しているようだ。
その時、急に部屋の電気が消えた。
停電か!?とタクヤが身構えようとしたとき、柔らかな灯が部屋を包んだ。
アイ「ハッピバスデートゥーユー、ハッピバスデートゥーユー。
ハッピバスデーディアタクヤー・・・ハッピバスデートゥーユー。」
キッチンから17本のろうそくを挿した小さ目のホールケーキを持ったアイがやってきた。
アイ「今日のために何回も練習して作ったんだ。美味しくできてると思うんだけど・・・。」
心配そうにタクヤの顔を伺うアイ。
目の前には色とりどりのフルーツで飾られたとても美味しそうなケーキがあった。
アイ「さぁ。思いっきり吹き消して。」
アイに促さるまま吹き消すタクヤ。
柔らかな紫煙を残し、真っ暗になる部屋。
暗闇の中で柔らかな感触がタクヤの頬に触れる。
タクヤ「え・・・今もしかして・・・。」
テーブルランプをつけたアイが向かいに座っている。
アイ「プレゼントの続きは私の部屋であげたいの・・・。」
アイの頬が赤く染まって見えたのはランプのせいだけではなかった。
そのあとのケーキの味は覚えていない。
気づいたらアイの部屋にいた。
可愛いぬいぐるみが綺麗に並べられ、棚にはタクヤにはちょっと難しい本が並んでいる。
女の子の部屋なんか初めてのタクヤは、見るもの全てが新鮮でキョロキョロと落ち着かないようだ。
また電気が消えたかと思うと、数十秒して机の上に置いていた電気スタンドが淡く光っていた。
そして目の前には下着姿のアイが立っていた。
アイ「プレゼント・・・私じゃダメかな?」
恥ずかしそうに胸元を隠し、顔を横に向けながらアイが呟く。
タクヤも年頃の男の子だ。
何度も本や、ネットで女性の裸体を見たことはある。
そしてアイのそういった姿を想像したこともあったが、目の前にある「リアル」はそれらを超越していた。
女性の扱いかたなど知らないタクヤ。
感情の昂ぶりと共に強くアイを抱きしめるタクヤ。
タクヤ「アイ。大好きだ。」
アイ「私もタクヤが大好き。」
魚が海を目指すように、唇は唇を求めた。
この日二人は始めてキスをした。
タクヤが今まで見てきた、エッチなビデオで見るようなキスではない。
お互いがお互いを愛おしむように唇をついばんだ。
始めての行為であるのにそれが当たり前の様にベッドへアイを倒し、感情のままにアイの胸元へ手をのばす。
普段のアイからは想像も出来ない、大人っぽい下着。
イトコのお姉さんに相談して、一緒に街で選んでもらった。とアイは言った。
微かな胸の膨らみに手をのばすタクヤ。
それが初めてのはずなのに、体は次に何が起きるのか分かっているかのようにアイの体がピクリと反応する。
アイ「いや・・・恥ずかしい。」
もちろん本当に嫌な訳ではないが、甘い息遣いと共に反射的にアイの口から言葉が漏れる。
そっとブラジャーの中に指を伸ばすタクヤ。
しっとりと汗ばんだ肌の感触。初めてなのに、ソレと分かる部分にタクヤの指先が触れる。
アイ「んっ!」
ピクンっと体を仰け反らせ、反応するアイの体。
静寂が支配する部屋の中を、二人の息遣いと時折触れる唇の音だけが満たしていた。
胸だけでは無く、アイの秘部に手を伸ばすタクヤ。
シルクのパンツ越しにでも分かる程、アイのソコは濡れていた。
アイ「イヤ・・・そこはダメ・・・。」
言葉とは裏腹に軽く足を開き、タクヤの手を受け入れるアイ。
クチュ。
濡れそぼった蕾から、蜜が溢れるようにアイのソコは淫靡な音を響かせる。
少しづつ荒い息遣いになって行くアイ。
タクヤの股間も触れられていないのにも関わらず怒張していた。
クチャクチャ。モソモソ。
興奮状態にあるタクヤがその音に気づいたのはその時だった。
アイの体が奏でる音では無い。
どこか記憶の中にある、原初的な音。
そう・・・B級映画で見たことがあるような、醜悪な怪物が死体を貪るような音。
気づいたら部屋の中はスパイシーな揚げ物の匂いで満たされている。
秘伝のスパイス、圧力鍋で揚げたチキンの香り。
その香りの元凶を辿り、部屋の隅に目を向けた時、ソイツはいた。
世の中の全てを恨んでいるような目つき。
禿げあがった頭皮。
醜く太ってだらしない体。
その手は暗闇の中でも油でテカテカにコーティングされ妖しく光っていた。
妖怪ケンタ喰らいである。
アイ・タクヤ「きゃっぁぁあっぁぁ!うわあぁっぁぁあっぁあぁ!」
二人は先ほどまでの性的興奮など忘れて、恐怖に震え抱き合った。
その後二人は幾日もしないで別れたらしい。
・・・ってこんな感じの妖怪ですよ。
もうね、本来ならボロンとしたぼっこを変な穴に入れたり出したりする様なカップルもこれはトラウマですよ。
それは別れますし、クリスマスでケンタッキーのCMが流れる度にアイちゃんはおっしこ漏らしますよ。
カップルの幸せをブチ壊す妖怪。
ケンタ喰らい。
貴方の枕元に現れるのは今夜かもしれない・・・。
妖怪ケンタ喰らい ぷにちん・・・31歳の誕生日である。
先日のかまぼこに続いてですが、ぷにちんも本日誕生日を迎えました。
10月は何か良くないものが産まれる月なのか?と疑いたくなりますね。
とりあえず先日のかまぼこ誕生日会にお呼ばれされなかった怨みは
後日あじにぶつけるとして、めでたく31歳になりました~ (*´ω`*)
何が (*´ω`*) だよ…何もめでたくないですわ。
もうこの年になったらお母さんからのプレゼントは貰えないし、
ケーキが食べたかったら自分で買わなきゃダメですからね。
しかも頭皮は薄くなるし…
祝ってくれる人がいる皆さんにとっては、それはそれは楽しみなイベントでしょうが
ぷにちんは一人でヤケ食いケンタッキー確定ですからね。
そりゃ寂しい絵面ですよ。
おっさんが一人、ムシャムシャ肉にかじりつく。
ほら、文にししただけでも狂気が感じられます。
きっとあと3年もしたら妖怪になれると思うんですよ。
妖怪ケンタ喰らい
とあるところに、付き合って1年目のカップルがいました。
サッカー部で日々練習に励んでいる好青年のタクヤ。クラスのムードメーカーだ。
そんなタクヤとは対称的に穏やかな性格で料理が趣味の女の子・・・アイ。
クラスの皆には内緒だが、二人は付き合っていた。
高校生にとって他人の色恋沙汰は格好の話題の的だ。
二人が周りの人に内緒にしていたのは自然の流れなのかもしれない。
2人はまだ学生で実家暮らし。
もちろん学生なのでおこづかい制。
あまりお金もありません。
デートと言っても下校中にクレープを食べて学校での出来事を話すだけ。
手を繋いだのは、遠くの街にいった時の数える程だけだった。
子供の恋。
そう言ってしまえばそれまでだが、2人はとても幸せだった・・・。
何もかもが色付く季節・・・秋。
二人にとって初めてのイベントがやってきた。
タクヤの誕生日である。
肌に触れる風は冷たくなってきたが変わらぬ二人の距離。
いつものクレープ屋さんでいつもと変わらぬチョコバナナクレープを食べながら並んで歩く・・・。
ただ違うのはアイの気持ちがここにあらず、といった感じだった。
普段ならタクヤの話す悪友の面白エピソードにコロコロと表情を変えて反応してくれるのに…
「なぁ…具合悪いのか?」
心配そうにタクヤがアイの顔を覗き込みながら声をかける。
急に現実に引き戻されたかのように、驚いた表情のアイ。
「ううん。何でもないの!!」
全く会話にならない返事。
その後も俯きがちに歩くアイと、変わらぬ雰囲気で話し続けるタクヤ。
いつもの別れ道に差し掛かり、普段と同じくタクヤがまた明日な。とアイに振り返り、別れの挨拶をする。
アイ「ねぇ!タクヤ。」
意を決したように急に大きな声を出すアイ。
タクヤ「ん?どした。」
アイの感情の機微など気づかず呑気な返事を返す。
顔を赤らめたまま黙ってしまうアイ。
タクヤ「何か今日のお前変だぞ。」
何度も何かを言おうとしては俯いてしまうアイ。
一際寒い風が吹いたのが合図でもあったかのようにアイが口を開く。
アイ「今日、両親が旅行に行っていないの・・・タクヤの誕生日を一緒にお祝いしたい。」
耳まで真っ赤にして、伝えるアイ。
最後の言葉はなびく風よりも小さい言葉になっていた。
明日は偶然にも土曜日。
今まで二人とも外泊などしたことはない。
タクヤ「それって・・・二人っきりってことだよな。」
流石に呑気なタクヤもアイの言っていることの真意に気づいていた。
コクリと頷くアイ。
耳まで真っ赤になっている。
タクヤ「分かった・・・母さんにはシンジの所に泊まるって言っとくよ。」
アイ「うん。じゃあウチで待ってるね。」
いつもと同じ道で別れた二人だったが、目に映る景色全てが色鮮やかに見えた。
これまでの思い出、そしてこれから起こるでであろう大人への入口。
全てが未知であったが二人に恐怖はなかった。
閑静な住宅街の中にアイの家はあった。
綺麗に刈りそろえられた芝生。
庭の一角にはお母さんの趣味だろうか、丹精込めて育てられた小さなバラが咲いている。
今まで柵越しにしか見たことのないその景色の中にタクヤは佇んでいた。
ピンポーン
澄み渡るベルの音に少し遅れて、家の中からパタパタとスリッパで駆けてくる音が聞こえる。
重厚なドアが開き、その先にはエプロン姿のアイが待っていた。
アイ「いらっしゃい。バタバタしててごめんね・・・丁度お祝いの準備をしていたの。」
家の中からは香ばしく肉の焼ける匂いがしていた。
リビングに通されたタクヤは豪奢な調度品と綺麗に片づけられた室内をキョロキョロと見まわしていた。
アイ「もうすぐ用意が出来るからテレビでも見ていて。」
フカフカのソファに座ったタクヤはキッチンで料理をするアイに視線を送ったり、
テレビを見たりして、想像もしてなかった夢うつつの中で微睡んでいた。
アイ「お待たせ、大したものは無いけどお祝いの準備ができたから食べましょう。」
少し眠っていたようだ、瞼をこすりつつ食卓テーブルを見たタクヤは驚いた。
サンドウィッチ、タコさんソーセージ、フライドポテトにゆで卵の入ったサラダ。
更にはアイが先ほどオーブンで焼いたであろうチキンレッグまであった。
アイ「昨日の夜から準備してたんだ・・・。」
照れたように笑い、恥ずかしそうに頭をかくアイ。
タクヤの一番好きなアイの顔だった。
アイ「さぁ。冷めないうちにどうぞ。」
アイの作った料理はどれも、とても美味しかった。
あっという間にほとんどを食べてお腹いっぱい、という表情のタクヤ。
アイ「ちょっと待っててね。」
食卓テーブルを立ったアイは再度キッチンへ向かい、何かを用意しているようだ。
その時、急に部屋の電気が消えた。
停電か!?とタクヤが身構えようとしたとき、柔らかな灯が部屋を包んだ。
アイ「ハッピバスデートゥーユー、ハッピバスデートゥーユー。
ハッピバスデーディアタクヤー・・・ハッピバスデートゥーユー。」
キッチンから17本のろうそくを挿した小さ目のホールケーキを持ったアイがやってきた。
アイ「今日のために何回も練習して作ったんだ。美味しくできてると思うんだけど・・・。」
心配そうにタクヤの顔を伺うアイ。
目の前には色とりどりのフルーツで飾られたとても美味しそうなケーキがあった。
アイ「さぁ。思いっきり吹き消して。」
アイに促さるまま吹き消すタクヤ。
柔らかな紫煙を残し、真っ暗になる部屋。
暗闇の中で柔らかな感触がタクヤの頬に触れる。
タクヤ「え・・・今もしかして・・・。」
テーブルランプをつけたアイが向かいに座っている。
アイ「プレゼントの続きは私の部屋であげたいの・・・。」
アイの頬が赤く染まって見えたのはランプのせいだけではなかった。
そのあとのケーキの味は覚えていない。
気づいたらアイの部屋にいた。
可愛いぬいぐるみが綺麗に並べられ、棚にはタクヤにはちょっと難しい本が並んでいる。
女の子の部屋なんか初めてのタクヤは、見るもの全てが新鮮でキョロキョロと落ち着かないようだ。
また電気が消えたかと思うと、数十秒して机の上に置いていた電気スタンドが淡く光っていた。
そして目の前には下着姿のアイが立っていた。
アイ「プレゼント・・・私じゃダメかな?」
恥ずかしそうに胸元を隠し、顔を横に向けながらアイが呟く。
タクヤも年頃の男の子だ。
何度も本や、ネットで女性の裸体を見たことはある。
そしてアイのそういった姿を想像したこともあったが、目の前にある「リアル」はそれらを超越していた。
女性の扱いかたなど知らないタクヤ。
感情の昂ぶりと共に強くアイを抱きしめるタクヤ。
タクヤ「アイ。大好きだ。」
アイ「私もタクヤが大好き。」
魚が海を目指すように、唇は唇を求めた。
この日二人は始めてキスをした。
タクヤが今まで見てきた、エッチなビデオで見るようなキスではない。
お互いがお互いを愛おしむように唇をついばんだ。
始めての行為であるのにそれが当たり前の様にベッドへアイを倒し、感情のままにアイの胸元へ手をのばす。
普段のアイからは想像も出来ない、大人っぽい下着。
イトコのお姉さんに相談して、一緒に街で選んでもらった。とアイは言った。
微かな胸の膨らみに手をのばすタクヤ。
それが初めてのはずなのに、体は次に何が起きるのか分かっているかのようにアイの体がピクリと反応する。
アイ「いや・・・恥ずかしい。」
もちろん本当に嫌な訳ではないが、甘い息遣いと共に反射的にアイの口から言葉が漏れる。
そっとブラジャーの中に指を伸ばすタクヤ。
しっとりと汗ばんだ肌の感触。初めてなのに、ソレと分かる部分にタクヤの指先が触れる。
アイ「んっ!」
ピクンっと体を仰け反らせ、反応するアイの体。
静寂が支配する部屋の中を、二人の息遣いと時折触れる唇の音だけが満たしていた。
胸だけでは無く、アイの秘部に手を伸ばすタクヤ。
シルクのパンツ越しにでも分かる程、アイのソコは濡れていた。
アイ「イヤ・・・そこはダメ・・・。」
言葉とは裏腹に軽く足を開き、タクヤの手を受け入れるアイ。
クチュ。
濡れそぼった蕾から、蜜が溢れるようにアイのソコは淫靡な音を響かせる。
少しづつ荒い息遣いになって行くアイ。
タクヤの股間も触れられていないのにも関わらず怒張していた。
クチャクチャ。モソモソ。
興奮状態にあるタクヤがその音に気づいたのはその時だった。
アイの体が奏でる音では無い。
どこか記憶の中にある、原初的な音。
そう・・・B級映画で見たことがあるような、醜悪な怪物が死体を貪るような音。
気づいたら部屋の中はスパイシーな揚げ物の匂いで満たされている。
秘伝のスパイス、圧力鍋で揚げたチキンの香り。
その香りの元凶を辿り、部屋の隅に目を向けた時、ソイツはいた。
世の中の全てを恨んでいるような目つき。
禿げあがった頭皮。
醜く太ってだらしない体。
その手は暗闇の中でも油でテカテカにコーティングされ妖しく光っていた。
妖怪ケンタ喰らいである。
アイ・タクヤ「きゃっぁぁあっぁぁ!うわあぁっぁぁあっぁあぁ!」
二人は先ほどまでの性的興奮など忘れて、恐怖に震え抱き合った。
その後二人は幾日もしないで別れたらしい。
・・・ってこんな感じの妖怪ですよ。
もうね、本来ならボロンとしたぼっこを変な穴に入れたり出したりする様なカップルもこれはトラウマですよ。
それは別れますし、クリスマスでケンタッキーのCMが流れる度にアイちゃんはおっしこ漏らしますよ。
カップルの幸せをブチ壊す妖怪。
ケンタ喰らい。
貴方の枕元に現れるのは今夜かもしれない・・・。
妖怪ケンタ喰らい ぷにちん・・・31歳の誕生日である。